Peonies 「牡丹」 昭和23年以降(after1948) ビロードと思しき布の上に孔雀の羽を敷き、そこに大輪の白い牡丹の花を生けた花瓶を置く。花瓶のまわりにはサクランボを散らすなど、賑やかで、なおかつ華やかな作品である。野十郎は花瓶に生けた花をしばしば描いたが、本作で描かれている牡丹は目を奪われるほど美しく、それを見つめ続けると、逆に鑑賞者の方が花から見つめられているような気分にさえなる。また、盛りを迎えて咲き誇る2輪の大輪の花の脇に、今にも花開こうとする花とつぼみを添えているのは、命あるものの移り変わりを比喩的に表そうとしているのかもしれない。 油彩・画布 / 57.8×50.0㎝