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輝く色彩
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絵画作品において、色彩は極めて重要な役割を持ち、用いられる色によって作品へもたらす雰囲気や印象が大きく変わります。ここでは絵画作品における色彩に注目し、華やかな雰囲気を持つ、色彩豊かな作品をご紹介します。
「イタリア壺のポピー」
足達襄
平成10年(1998)
油彩・画布
53.5×45.5cm
派手な花柄の花瓶に大輪のポピーの花が活けられ、背景は虹を思わせるような華やかな色で埋め尽くされています。本作に見られるような派手な色彩は、当時独立美術協会に所属していた作家たちに共通する特徴のひとつでしたが、とりわけ足達襄は、ショッキングピンクなどの強烈な色彩を用いて、豊麗かつ装飾性に富んだ作品を作り出しています。本作は、病床で絵筆をとって制作された最晩年の作品ですが、病身であることを全く想像させないほどの力強さに満ちています。
足達襄(あだちじょう・1911-1999)
福岡市に生まれる。昭和3年(1928)県立中学修猷館卒業後上京し、同5年帝国美術学校に入学。翌年の第1回独立展に初入選し、以後連続入選を重ね、また独立賞も受賞し、同23年に会員となる。この間、福岡独立作家協会結成にも参加。戦後帰郷し、福岡県美術協会再興や筑紫芸術院結成に尽力。県美術協会では同52年から59年まで会長を、筑紫芸術院では院長を務めた。同55年福岡県教育文化功労賞、57年第7回福岡市文化賞を受賞、59年には勲五等瑞宝章を受章。豊麗な色彩による装飾性豊かな画面構成を特徴とする。