水のある風景

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海や川、湖など、水のある風景はしばしば多くの画家の心を捉え、様々なかたちで絵画に描かれてきました。ここでは、10人の洋画家が描いた「水のある風景」をご紹介します。風景画を中心に、水のある風景の中に描かれた人物など、「水のある風景」が見せる様々な表情をお楽しみください。

「浜の干場」

三角嘉寿男

昭和37年(1962)

油彩・画布

80.3×100.0㎝

海辺に布や洗濯物を干す風景を描いた本作は、やわらかなタッチと色彩が魅力的な、ほのぼのとした作品です。三角嘉寿男は風景画を多く手がけた一方で、画面における物の配置や物と物との関係性にも強い関心を持ち、ユニークな静物画を多数手がけました。本作も風景画ではあるものの、浜辺に広げて干している布や洗濯物の色彩や形、そしてそれらを干す竹竿、さらにはその周囲の船や人物などの配置が面白く、まさに静物画にも通じる作品とも言えます。

三角嘉寿男(みすみかずお・1905-1987)

福岡県八女市に生まれる。八女中学校、小倉師範学校本科第二部を経て、昭和3年(1928)に上京し、小学校教諭として勤務しながら制作をつづけ、昭和7年に第2回独立展で初入選を果たす。その後石井柏亭に師事したことをきっかけに、昭和56年の退会まで一水会展を主な作品発表の場とした。戦後は郷里の八女に戻り、福島中学校で美術教員として勤務した。明快でやわらかな線と、平坦に塗った明るく濁りのない色面による爽やかな画風を特色とする山岳風景画や静物画を数多く手がけた。
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