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輝く色彩
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絵画作品において、色彩は極めて重要な役割を持ち、用いられる色によって作品へもたらす雰囲気や印象が大きく変わります。ここでは絵画作品における色彩に注目し、華やかな雰囲気を持つ、色彩豊かな作品をご紹介します。
「春」
板谷房
昭和38年(1963)、サロン・デ・ザルティスト・フランセ(動物画賞)
油彩・画布
130.0×162.0㎝
バラやコブシなどの花々が咲き誇り、蝶が舞い飛ぶ春らんまんの野辺に、彩り鮮やかな七面鳥や鶏、猫たちが集い、にぎやかで幻想的な情景を見せています。画面に満ちた明るく鮮やかな色彩は、春の訪れへの喜びを象徴しているかのようです。油彩画でありながらどこか日本的な趣もある本作は、「東洋美術と西洋美術の十字路」にある作品と評されました。色彩における過剰さと、それと相反する奇妙なまでの静謐さに満ちた本作は、パリのサロンで芸術院賞と動物画賞を受賞しました。
板谷房(いたやふさ・1923-1971)
福岡市に生まれる。昭和27年(1954)東京美術学校を卒業し翌年渡仏。ほとんど終生をその地で送った。藤田嗣治の親交を得て同31年から毎回サロン・ドートンヌに出品し、同34年から毎回ル・サロンに出品。3回入賞を果たし、無鑑査となる。同38年フランス政府から芸術院賞を授与される。